痛風発作の前兆は、発作が起こる数日前に現れる身体の症状です。多くの方が見過ごしてしまいがちですが、これらの前兆を正しく理解することで痛風発作が予防できる可能性があります。
痛風は、血液中の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続くことで、主に足の関節内に尿酸の結晶ができて、それが関節炎を起こすことで発症します。尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症といわれ、この状態が長期間続くと尿酸が溶けきれなくなって結晶が関節の内部に蓄積します。蓄積した尿酸結晶の一部が関節内に剥がれ落ちると白血球が反応して、激しい炎症を引き起こします。これが痛風発作です。
痛風発作の前兆とは、蓄積した尿酸結晶の一部が関節内に剥がれ落ちて炎症が起こり始めている状態です。この時期に適切な対処を行えば、本格的な痛風発作を回避できる可能性があります。
痛風発作の前兆を放置すると、やがて強い痛みを伴う関節炎である痛風発作に進展します。発作時の痛みはその名の通り、風が吹いても痛いくらいの強い痛みで、歩くのが困難になって仕事や日常生活に支障をきたします。
痛風発作が起きても、適切な治療を受けずに放置すれば、一週間以上痛みが続くこともあります。また、発作がおさまって痛みがなくなってから、尿酸値を下げる治療をしないで放置していると、尿酸値は高いままであることが多く、痛風発作を繰り返すようになります。たびたび日常生活に支障をきたすばかりでなく、尿路結石や痛風結節、痛風腎などの合併症をおこす可能性があります。初期症状の段階で気づき、早期に対処することが重要です。

痛風発作の前兆として、いくつかの特徴的な初期症状があります。以下のチェックリストで当てはまる項目がないか確認してみましょう。
最も代表的な痛風発作の前兆は、足の親指の付け根周辺の違和感です。「なんとなくムズムズする」「ピリピリする」「ほてっている感じがする」といった軽微な異常を感じることがあります。これらは足の親指の付け根周囲以外にも足首とか足の甲や膝に出ることもあります。
この時点ではまだ痛いわけではないため、多くの方が放置してしまいます。しかし、この違和感が痛風発作の重要な前兆なのです。
夜寝ているときや朝起きたときなどに、関節がこわばるような感覚を感じることがあります。これも関節内で炎症が起こり始めているサインです。
ただ、同様の症状はリウマチや他の関節炎でもおこりえるのと、痛風発作の前兆と気がつくのは難しいかもしれません。
関節周辺にむくみや熱っぽさを感じることがあります。これも関節内で炎症が起こり始めているサインです。「足が少しむくんでいる」「他の部分より熱っぽい」といった症状に気づいたら、痛風発作の前兆かもしれません。
ただ、むくみは他の病気や歩き過ぎなどでも出てくることがあるので、日ごろの観察が重要です。

痛風になりやすい体質や生活習慣があります。以下に当てはまる方は、痛風発作の前兆がでてこないかに注意を払う必要があります。
痛風発作の前兆が現れやすい、痛風になりやすい生活習慣には以下のようなものがあります。
これらの生活習慣や生活状況が当てはまる人は今すでに尿酸値が高い可能性があります。とくに複数当てはまる人は、生活習慣の改善と定期健診や人間ドックなどでの健康チェックが必要です。
痛風には遺伝的な要素も関係しているという報告もあります。
また、以下のような要因も痛風の前兆が現れやすくなる背景となります。
これらのリスク要因を持つ人は、わずかな関節の違和感や熱っぽさが痛風発作の前兆である可能性を考慮して、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

痛風発作の前兆となる症状に気づいたら、すぐに対処を始めることが大切です。すばやい対応によって、痛風発作を予防できる可能性もあります。
痛風予防において最も効果的なのが食事の見直しです。以下のポイントを意識した食生活に切り替えましょう。
水分摂取は尿中の尿酸濃度をさげて尿路結石のリスクを低下させますので、痛風発作の前兆を感じたらこまめに水を飲むようにしましょう。
次のような状況に当てはまる人は早めに医療機関(内科、整形外科など)を受診することをお勧めします。
医療機関では血液検査で現在の尿酸値を測定し、必要に応じて尿酸値を下げる治療や生活指導、栄養相談を受けることができます。

痛風の予防には生活習慣の見直しが大切です。
尿酸値を正常範囲内(7.0mg/dL未満)に保つためには、バランスの取れた食事が基本です。
魚卵、肉類、ビールなどのプリン体の多い食品の摂取を避けて、野菜・海藻・きのこなどを摂取するようにしましょう。
適度な運動は肥満解消や代謝改善に効果的で、痛風予防に役立ちます。ただし、激しい運動は逆効果です。
以下のような運動がいいでしょう。
運動に際しては水分補給を十分におこなってください。脱水状態になると尿酸値が上昇しますので注意が必要です。
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痛風発作の前兆は、身体が発する危険サインです。足の違和感や熱っぽさといった初期症状を見逃さず、早めに対処することで痛風発作を予防できることがあります。
チェックリストに当てはまる症状がある人は、まず生活習慣の見直しに取り組みましょう。
そして必要に応じて医療機関を受診しましょう。痛風は適切な治療によりコントロールできる病気です。
痛風を予防するための生活習慣を取り入れて、痛風発作に邪魔されない生活を手に入れましょう。

豊中市にある二ノ切やまもとクリニックでは痛風の治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
二ノ切やまもとクリニック 院長
山本 将士
・神戸大学医学部医学科 卒業
・神戸大学大学院 卒業
・大阪府済生会中津病院 外科
・神戸大学医学部附属病院 食道胃腸外科
・大阪府済生会中津病院 外科
・ニノ切やまもとクリニック 開院
| クリニック名 | 二ノ切やまもとクリニック |
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