肥厚爪とは爪が分厚くなってしまった状態をいいます。分厚くなるだけで特に痛みや違和感などを感じることなく、見た目もとくに気にならないということであれば必ずしもなおす必要はありません。ただ、靴下に引っかかったり、靴に当たったりして痛みを感じたり、見た目が気になるなどでなおしたい場合には、医療機関やフットケアサロンなどを受診するのが良いでしょう。
肥厚爪について詳しく知りたい方はこちら
肥厚爪は、爪が通常よりも分厚くなった状態のことで、爪が重なるように生えていたり、途中から分かれていたり、茶色っぽく変色していることもあります。特に足の親指の爪に発症しやすく、進行すると歩行時に痛みを感じたり、靴を履いた時に圧迫感がでるなどといった問題が生じます。初期症状としては爪の肥厚や変形、色素沈着が少しずつでてきて、長期間経過すると爪の表面がでこぼこになったり、茶色に変色したりするようになります。また、隣の指にあたって皮膚が赤くなったり、腫れたりすることもあり、放置すると日常生活に支障をきたすこともあります。
肥厚爪には様々な原因が考えられます。最も一般的なのは以下の要因です:
これらの原因が重なりあったりして爪の肥厚が進行していきます。特に高齢者や糖尿病患者さんは発症リスクが高まるため、定期的な爪チェックが重要です。
肥厚爪の治療において、まず何科に行けばいいのでしょうか、これは案外難しい問題です。
実は原因によって受診すべき科は下記のように異なりますが、ここにあるような科でもあっても、そもそも足爪のことを取り扱っていない医療機関も多く、受診したものの「うちではみられません。」「他に行ってください。」などと断られるケースもあります。受診前に問い合わせするのがいいでしょう。
フットケア外来をおこなっているところであれば、まず断られることはないと思います。
ただ、これはあくまで原因がわかっている場合に選択できますが、そもそも受診前に自分で原因がわかっている人は少ないと思います。
そういう点では、ほとんど必ず足爪を扱っているフットケア外来がある医療機関を受診することをおすすめします。
皮膚科では主に保存的治療を中心としたアプローチを行います。原因が爪白癬の場合、内服や外用の抗真菌薬の処方と定期的な爪の清潔管理指導を行います。ただ、皮膚科であっても必ず足爪をみてくれるわけではないので前もって問い合わせするのが良いでしょう。
形成外科では、保存的治療もおこないますが、外科的治療もおこなうことができます。爪や周囲皮膚の状態によって術式は様々です。
そもそも爪専門医というものは存在しませんが、各科(皮膚科・形成外科・外科など)の中でも足爪を得意としている医師はいます。ただ、自力で調べて見つけ出すのは難しいかもしれません。ひとつヒントになるのは、「フットケア外来がある医療機関」には「足爪などを中心としたフットケアが得意な医師」がいるということです。そのような病院やクリニックにフットケア外来について相談してみるのがいいでしょう。
治療法は症状の重症度や原因によって選択され、複数の方法を組み合わせることも多くあります:
保存的治療
外科的治療
治療期間は肥厚の程度によって異なります。
やすりやマシンで削って爪を薄くする処置を数ヶ月おきに何度かおこないます。定期的な処置が必要で治療期間としては4-6ヶ月くらいかかることが多いです。
もともとの肥厚の程度が強ければ一度の処置で十分に薄く削ることが難しいこともあってその場合は何度かに分けて処置することもあります。
足爪は伸びてくるのが手の爪よりも遅いので、伸びてきてから処置を繰り返す場合には処置が1-2ヶ月おきになるのでトータルでは6ヶ月近くかかることになります。
爪白癬による肥厚爪の場合は白癬菌の治療と爪の処置をおこないます。白癬菌の治療効果が現れてくるのに6-12ヶ月程度かかりますので、白癬菌治療が成功したとして、肥厚爪が治っていくのはそれからまだ期間がかかります。
再発防止には足爪や足指を清潔にして、きちんと保湿することです。深爪にならないような適切な爪切りも欠かせません。また、足先に余裕があるような適切な靴を選択することもとても重要です。自分の足と足爪に興味を持ってきれいにするように心がけることが足の健康につながります。
肥厚爪や巻き爪など足爪に関する専門医の制度は日本には存在しませんので、外科専門医や産婦人科専門医などのようないわゆる専門医はなく、そもそも足をどの科が担当するかも定まっていません。そのような状況の中で、フットケア・足病医学会という足を専門とした学会が2つの学会が統合するような形で2019年から発足しています。この学会に所属・参加していることやフットケア外来をおこなっていることなどが、病院やクリニックを選ぶ際のひとつのチェックポイントになると思います。
初診時にはこれまでの経緯や、他の併存疾患がないか、生活習慣や職業などについて問診が行われます。爪の状態を確認して、必要に応じて真菌検査などが実施されます。
医療費については、まずそもそも保険診療が適用になるかどうかは医療機関によって異なります。保険診療が適用となる場合は、初診料で数千円程度ですが、検査すればその費用もかかりますし、処方があれば薬剤によっても費用が変動します。それぞれの保険組合における自己負担割合によっても窓口負担金が変わってきます。
また、自費診療でおこなっている医療機関もあります。その場合は医療機関ごとに料金設定が異なりますので、事前に問い合わせするかホームページなどで調べるのがよいでしょう。
二ノ切やまもとクリニックでは肥厚爪の処置は自費診療となります。初診料1000円+トラブル爪の爪切り3900円=4900円になることが多いです。ただし、複数の爪が肥厚爪になっていたり、厚さの程度によっては時間がかかることがあり、30分をこえてしまう場合は追加料金1900円がかかったり、治療を2回に分けておこなうこともあります。その場合は4900円+1900円=6800円(30分超過の場合)や、4900円+3900円=8800円(2回に分けておこなった場合の2回合計)になります。
肥厚爪の適切な治療には、肥厚の程度や原因に応じた正しい診療科選びが重要ですが、それは困難です。ヒントは「フットケア外来」をかかげている医療機関を探すということです。
この記事で解説した内容を参考に、ご自身の症状に合った医療機関を選択してください。早期発見・早期治療が効果的な改善につながります。不安な症状がある場合は、まずはかかりつけ医そしてフットケア外来がある医療機関に相談することをおすすめします。
当院では肥厚爪の治療をおこなっています。
問診と診察の後に、フットケア用のリクライニングシートで、やすりやマシンで削って肥厚した爪を薄くします。爪白癬が疑われる場合は抗原検査をおこない、白癬菌陽性なら内服や外用薬による白癬菌の治療をおこなうこともできます。まずはお気軽にご相談ください。
二ノ切やまもとクリニック 院長
山本 将士
・神戸大学医学部医学科 卒業
・神戸大学大学院 卒業
・大阪府済生会中津病院 外科
・神戸大学医学部附属病院 食道胃腸外科
・大阪府済生会中津病院 外科
・ニノ切やまもとクリニック 開院
クリニック名 | 二ノ切やまもとクリニック |
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住所・所在地 | 〒560-0084 豊中市新千里南町2丁目6-18 カーサマリーナモンテカルロ1階 |
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