ウイルスなどの感染によって起こるせき・鼻水・のどの痛みなどをおこす病気で自然になおっていくものをまとめて、かぜ(風邪、かぜ症候群、common cold)といいます。
自然になおるのだから、そもそも治療が絶対に必要というわけではありませんが、熱が出たり、のどが痛かったり、せきがしんどかったりするので、それを薬でやわらげておいて自然になおるのを待つのがいいと思います。
ただ、そもそも今ある症状が自然になおる「かぜ」によるものかそれ以外の病気によるものかがわからないのというところが問題です。
つまり、かぜに似た症状を起こす「かぜ以外の病気」ではないかを判定する必要があります。
「ふつうのかぜ」はせき・鼻・のどの症状があって、ほとんどはライノウイルスと言われるウイルスが原因です。症状が出てから2-3日でひどくなって、だんだんよくなっていって1週間くらいでおさまることが多いです。
これがだんだん悪くなっている、一旦よくなったけれどまた悪くなってくるというように一般的な経過とはちがう経過をたどる場合は、なにか別の感染症が加わっていると考えるのがよいでしょう。
「ふつうのかぜ」の治療は、栄養や水分しっかりとってゆっくり休むことです。症状がつらい場合には症状に合わせた薬を処方します。また、漢方薬もいいでしょう。症状の組み合わせに応じた漢方薬がありますので、希望される方には処方します。
「かぜ」に抗生物質(こうせいぶっしつ、抗菌薬)は効かないと言われています。抗生物質は細菌に効く薬で、ウイルスには効きませんのでこれは正しいと言ってよいでしょう。
むやみに抗生物質を飲んでしまうと耐性菌といって抗生物質が効きにくい菌ができてしまったり、副作用がおこることもあります。かぜのときに安易に抗生物質を飲んだことで、耐性菌ができてしまうと、いつか本当に抗生物質に頼りたいときに効かなくなるということも起こりますので、「かぜ」のときには抗生物質は飲まないようにしましょう。
鼻水・鼻づまり・くしゃみなど鼻の症状が主にでるかぜです。
1週間以上たってもこれらの症状が長引いたり、「ふつうのかぜ」が少しよくなったあとにこれらの症状がひどくなってくることもあります。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)になっていることがあります。頭痛や発熱、ほほやおでこに痛みがあるなど他の症状も加わります。
治療は発熱や痛み・鼻水・鼻づまりに対する薬を出すこともあります。症状がひどければ細菌感染を疑って、抗生物質を処方することもありますが、重症でなければ耐性菌や副作用のことを考えると飲まないほうがいいでしょう。
漢方薬はこまかな使い分けができますのでとてもいいと思います。
のどの痛みが主に出るかぜです。
のどの痛みは飲み込むときに痛いかどうかが大切で、これがあればのどの炎症ということになります。
ほとんどがウイルスですが、細菌も原因になります。とくにA群溶血性連鎖球菌(Aぐんようけつせいれんさきゅうきん)は略して溶連菌(ようれんきん)と呼ばれていて咽頭炎を起こすことがあります。これには抗生物質が効きますので、検査で溶連菌感染が判明した場合には抗生物質を投与します。それ以外の「のどのかぜ」に対してはのどの痛みを和らげる薬を投与します。漢方薬も効果があるものがありますのでいいと思います。
発熱や痰などと一緒に咳が1-3週間くらい続くことがあります。このような場合にはまずは肺炎かどうかをチェックして肺炎ではないものを急性気管支炎といいます。咳を起こす病気は他にも咳喘息(せきぜんそく)、逆流性食道炎、結核、肺がんなどさまざまなものがあります。
抗生物質は細菌性肺炎などの細菌感染でなければ効果はありません。咳止めや痰を切る薬を内服します。
「かぜ」といっても症状はさまざまです。かぜのような症状を起こす別の病気もありますので、せき・のどの痛み・鼻水などの症状があったり、それらに熱を伴っているような場合には気軽にご相談ください。
また、当院では小児は中学生以上を診察対象としています。中学生になられていない小児の方は小児科の受診をお願いします。ただ、小学生であってもけがやきずの処置なら可能ですのでご相談ください。
ハリソン内科学第15版
かぜ診療マニュアル第3版
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