ストーマとは、病気や治療のために消化管や尿路の出口をお腹に作ったものです。一般的に「人工肛門」や「人工膀胱」としての機能を持ち、個々の状態に合わせた継続的なケアが必要です。

ストーマには大きく分けて以下の2種類があります。

• 消化管のストーマ
• 尿路のストーマ

1. 消化管のストーマ（人工肛門）とは

消化管の出口がお腹に作られたものを指します。作られる部位によって便の性状や管理方法が異なります。

消化管ストーマの種類

ストーマが造設される腸の部位（小腸か大腸か）によって特徴が分かれます。

小腸ストーマ

小腸の出口をお腹につくったものです。

• 特徴: 水分の多い便が出るため、皮膚トラブルが起こりやすく、管理が難しい場合があります。

大腸ストーマ

大腸の出口をお腹につくったものです。持ち上げた大腸の部位によって便の状態が変わります。

• S状結腸・下行結腸
  • 通常の便とほぼ同じくらいの硬さの便が出ます。
• 横行結腸・上行結腸
  • 小腸に近いので、やや軟らかめの便が出ます。

ストーマ造設の原因となる病気

消化管ストーマが必要となる主な原因疾患は以下の通りです。

• 直腸がん、大腸がん
• 憩室炎の穿孔（せんこう）・瘻孔（ろうこう）
• 大腸の穿孔・壊死・狭窄
• S状結腸捻転
• 小腸の穿孔・壊死・狭窄
• その他

ストーマのタイプ（期間による分類）

ストーマは、その造設期間によって「一時的」なものと「永久的」なものに分けられます。

• 一時的な人工肛門
  • 病気が治癒した後など、元に戻せる（閉鎖できる）可能性があります。
• 永久的な人工肛門
  • 肛門括約筋を切除した場合など、元に戻すのが難しいケースです。