当院では糖尿病や高血圧、高コレステロール血症、痛風などさまざまな生活習慣病に関しての治療をおこなっています。

生活習慣病の治療の中では薬による治療も重要ですが、生活習慣の見直しもとても大切です。特に取り組みやすいのは食事の見直しです。運動は仕事のこともあってなかなか時間が取れない人もいるでしょう。食事に気をつけて食習慣を変えてみることは、とくに大きな時間ロスや手間もなく、始めることができます。

ただ、食事を見直すといっても何から手をつければいいのか、今の自分の食生活のどこが見直しやすいのかを自分で判断することはなかなか難しいことです。

そこで当院では生活習慣病や腎臓病などの患者さんを対象に管理栄養士による栄養指導をおこなっています。

栄養指導とは管理栄養士が、患者さんの病状に合わせて、現在の食習慣の中で見直せるところがないか話をお聞きしながら一緒に考えて、最終的な目標を立てて、それに向けてまず何から始めればいいかを話し合って決めることです。例えば、「毎日のようにおやつの時間についついポテトチップスを食べてしまっていたのを、スルメとポテチを日替わりで交互にしてみる」「晩御飯を大きな茶碗で2杯食べていたのを、小さめの茶碗にかえてみる」「ビールを毎日2缶飲んでいたのを1缶に減らす」「週に1日は休肝日をつくる」などまずは簡単にできそうなところから始めて、徐々に取り組みを重ねていきます。

しんどくならないくらいの取り組みにしておくのが、長く継続していくコツです。がんばりすぎないでゆっくりすすめることで、疲れないで・嫌にならないで新たな習慣を身につけていくことができるでしょう。

そのような取り組みを重ねていって、やがて目標に到達できるようになれば、本当の意味での生活習慣病の治療につながるはずです。薬は一度飲み始めたらずっと飲み続けなければならないとは限りません。なんとか少しでも減らして、あわよくば薬を飲まないで生活できるようになれることを一緒に目指してみましょう。

栄養指導をご希望の方は診察室や受付にてご相談ください。

＜栄養指導の流れ＞

1. 診察室もしくは受付にて「栄養指導」を希望されることをお伝えください。
2. 診察室にて、簡単な質問表とメニュー記録表をお渡しして、栄養指導の予約をとります。
3. 栄養指導までに質問表の記入と3日間の食事の記録をつけていただきます。
4. 栄養指導の当日は診察にてどんな様子だったかを伺います。
5. 診察後に管理栄養士が食事内容の振り返りと簡単に見直せそうなところを一緒に相談します。
6. 次回の外来予約・栄養指導の予約をとります。
7. 2回目の栄養指導までに取り組めるところから生活習慣を変えていきます。
8. 2回目の栄養指導の当日は診察にてどんな様子だったかを伺います。
9. 診察後に管理栄養士と一緒に最初に立てた目標に向けてどれくらいがんばれたかを振り返ります。

このような手順を何度か繰り返していくことで3ヶ月・6ヶ月と経過するうちに少しずつ食生活が変わっていけば、薬を減らしていくことができるかもしれません。

管理栄養士と相談しながらゆっくり取り組んでみましょう。