慢性腎臓病

慢性腎臓病って何?

一言でいうと“透析予備軍”です。腎臓に何らかの障害が存在し、場合によっては透析や腎移植治療が必要になる可能性があります。また心血管病(心筋梗塞や脳卒中など)や死亡リスクも高まることが知られています。腎臓が傷んでいますよ、という状態を示しているため、いろんな病気が含まれています。

診断基準は?

  1. 蛋白尿など腎機能障害を疑う所見がある
  2. eGFRが60未満である

のどちらか一方、または両方を満たす状態が3ヶ月以上続いた場合に慢性腎臓病と診断します。

※eGFRは腎臓の働きを表す数値で、血液検査でわかります。

どうすれば受診した方が良い?

住民健診や職場健診では、必ずと言っていいほど尿検査と血液検査でこれらの項目を検査されます。健診で慢性腎臓病の基準を満たしたら、まずは受診しましょう。

特に次の基準に当てはまる場合は要注意です。

            エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023

受診したらどうなる?

まずは原因を調べる必要があります。そのため、これまでの検査結果、かかったご病気や服用されているお薬、生活のご様子などを詳しくお聞きし、血液検査や尿検査、画像検査などを行います。また必要に応じて専門医をご紹介し、さらなる精密検査を受けていただきます。原因によって、また進行速度によって対応が変わってきます。eGFRの推移をグラフにすることで、将来の推移も予測することができます。

腎臓はよくならないの?

一時的に脱水やお薬など特定の要因で急性に悪化した場合には回復することがありますが、徐々に悪化するような慢性腎臓病では回復は期待できません。治療では悪化する速度をできるだけ緩徐にすることが目標になります。そのため、できるだけ早く気づくことが大切なのですが、慢性腎臓病は自覚症状に乏しいため早期に自分で気づくことはできません。きちんと健診を受け、異常を指摘されたら「何ともないから大丈夫」と甘く考えずに一度ご相談ください。

慢性腎臓病に対する診療は?

状況によって(1)、(2)、(3)を組み合わせて診療します。

(1) 一番重要なのは、悪化速度を少しでも抑えて腎臓を長持ちさせ、心血管病(心筋梗塞や脳卒中など)にならないようにすることです。

(2) 残念ながらある程度以上悪化した場合は、弱った腎臓の働きを食事や薬で補います。

(3) いよいよ腎臓が弱りきってしまった場合には、腎臓の代わりを透析や移植にお願いすることになります。

(1) 腎臓の悪化と心血管病の予防

腎臓病の原因によっては特殊な治療が必要になりますが、最近では高血圧症や糖尿病といった生活習慣病を原因とする慢性腎臓病が多く、生活習慣病の治療が最重要になります。血圧、脂質、血糖、体重を良好に保ち、タバコやお酒の節制も重要です。そのために、食事療法、運動療法、薬の調整、セルフケアを組み合わせて治療します。

 また最近では腎臓を長持ちさせる薬も出てきました。高血圧の薬の一種であるRAS阻害薬、糖尿病の薬の一種であるSGLT-2阻害薬などです。それぞれ適した方、適さない方がいらっしゃいますのでご病状に合わせて処方します。

(2) 弱った腎臓のサポート

腎臓の働きと、弱った時の症状、それに対する対応を表にまとめます

a. 尿を作る

働きできなくなった時の症状対処
水分の調節(不要な水分の排泄)体に水が溜まる(むくみや胸水・心不全)水分制限(必要以上に摂取しない)利尿薬
ゴミ捨て老廃物が溜まる(嘔気・食欲がない、倦怠感など)老廃物の主な原因となるたんぱく質の制限など(フレイルにつながるリスクもあるので主治医と要相談)
電解質の調節(不要なミネラルの排泄)カリウムが溜まりすぎると致死性不整脈を起こすことがある リンが多いと心血管病のリスクになるカリウムの摂取を控えるカリウム吸着薬(カリウムを大便から排泄させる) リンの摂取を控えるリン吸着薬(リンを大便から排泄させる)
酸塩基の調節(血液のpHを7.4程度に維持している)血液が酸性に傾く(疲れやすい、食欲低下、ひどいと意識障害や心停止)炭酸水素ナトリウム(重曹)の薬で血液の酸性を中和する

b. ホルモンの産生と調節

働きできなくなった時の症状対処
エリスロポエチン(増血ホルモン)の分泌 貧血になる(ヘモグロビンの低下)エリスロポエチンを注射で補う(最近はエリスロポエチンを増やす飲み薬もあります)
ビタミンDの活性化(カルシウムや骨の代謝の調整)カルシウムが低下し、骨粗鬆症のリスクが高まる活性型されたビタミンDの飲み薬
レニン(血圧を上げるホルモン)の分泌血圧があがる(腎臓が悪くなると腎臓への血流が減って、レニンを増やして血流を保とうとします)減塩と水分制限降圧薬の調節

(3) 腎臓の代わりの治療

血液透析、腹膜透析、腎移植の3つがあります。おひとりおひとりの病状によってできるできないがありますし、生活スタイルによって向き不向きがあります。なにが適しているか、専門医も含めてみんなで相談します。

アクセス

クリニック名 二ノ切やまもとクリニック
住所・所在地 〒560-0084 豊中市新千里南町2丁目6-18
カーサマリーナモンテカルロ1階
電話番号
アクセス 桃山台駅から徒歩10分
駐車場
営業時間
<駐車場のご案内>
当院では駐車場が10台分使用可能です。
きむら眼科クリニック、日本調剤薬局と兼用ですが、満車になっていることはほとんどありませんので、どうぞお車でお越しください。
日本調剤薬局すぐ北の信号のない交差点を曲がると右側に2つ駐車場があります。奥側の駐車場のさらに左奥の10台分です。
車をとめたら駐車場の奥にエレベーターがありますので、クリニック階でおりれば、手前がきむら眼科クリニックで、そのとなりが当院となっています。
駐車場マップ

二ノ切やまもとクリニックでは
みなさまに寄り添った
診療を心がけております。

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