アレルギー・花粉症

花粉症とは

花粉症・アレルギー性鼻炎・鼻アレルギーなど呼び方は様々ありますが、アレルギーの原因が花粉によるものが花粉症で、アレルギー性鼻炎はその他のハウスダストなどによるアレルギーも含むので少し広い範囲の病気ということになります。ほとんど同じようなものと考えていいと思います。

花粉症の特徴

くしゃみ・鼻水・鼻づまりが特徴です。

日本全体ではなんらかのアレルギー性鼻炎にかかっている人はおよそ49%です。ほぼ2人に1人がアレルギー性鼻炎ということになります。花粉症にかぎっても42%と言われていますので相当多くの人が花粉症にかかっていると言えます。

花粉が鼻の粘膜にくっついて細胞の隙間から粘膜の中に入りこむと、樹状細胞という抗原提示細胞に食べられてTリンパ球に花粉の情報が手渡されます。活性化したTリンパ球が様々な物質を放出してそれに刺激されたBリンパ球から抗体が放出されます。その抗体が肥満細胞の表面にくっつくと花粉症の準備が整います。これを感作と言います。

ここにさらに花粉が侵入してくると肥満細胞の表面の抗体にくっついて肥満細胞が活性化して、さまざまな物質を放出します。鼻の知覚神経を刺激してくしゃみが出ます。神経の刺激で鼻の腺細胞から鼻水が出てきます。血管にも作用して鼻の粘膜が腫れて鼻づまりになります。

さらに他の好酸球・好中球・好塩基球・リンパ球などの炎症細胞を刺激して、さらに炎症が進んで鼻の粘膜が腫れて鼻づまりがひどくなります。さらに刺激に対して鼻の粘膜が過敏になってさらに炎症が起こりやすくなります。

さらにここに花粉が侵入してくるとこれまでのことが繰り返されてどんどん炎症が進んでくしゃみ・鼻水・鼻づまりがひどくなるというわけです。

花粉症の診断は季節による変動があることから花粉症を疑えば、血液検査などアレルギーの検査でアレルギーの原因物質を調べて、花粉が原因であれば花粉症ということになります。

治療は、花粉をさける、薬で症状をやわらげる、アレルゲン免疫療法などがあります。マスクやメガネなどで花粉をとりこまないようにするのがすぐにでもできる対策です。

花粉症への対処

薬はアレルギー反応が起こる過程で出てきたさまざまな物質の働きをおさえることでくしゃみ・鼻水・鼻づまりをおさえます。

代表的なものは抗ヒスタミン薬といって肥満細胞が出すヒスタミンという物質の働きをおさえる薬です。ヒスタミンはくしゃみや鼻水などの症状を引き起こす花粉症の中心的な物質です。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが働く受容体というものに先回りして働きをブロックするのですが、ヒスタミン受容体は神経・血管・筋肉・消化管・心臓・骨髄など全身のさまざまなところにあります。さらにH1・H2・H3・H4受容体の4種類があって、アレルギーのときに問題になるのは、H1受容体で血管・神経・筋肉などに分布しています。この受容体に先回りして働きをブロックすることで放出されたヒスタミンによって起こされるくしゃみや鼻水などをおさえますが、同時にアレルギーにかかわっていないH1受容体の働きもブロックしますので、期待していない作用(副作用)もおこります。脳内に到達すると鎮静といって眠たくなる作用がでます。他にものどのかわきや便秘などを起こすこともあります。

脳内に到達しにくくすることで、「眠くなりにくい」抗ヒスタミン薬が開発されています。フェキソフェナジン・ロラタジン・デスロラタジン・エピナスチン・オロパタジンなど眠くなりにくい薬を使うのがよいでしょう。

他にも、鼻に噴霧(ふんむ)する薬もあります。ステロイド剤という炎症をおさえる働きのある薬で、使い始めて1-2日で効果があらわれるので、しかも効きがいいことが多く、副作用はそれほど多くはないということで、非常に有効な薬です。

あとは、そもそもアレルギーをおこりにくくするアレルゲン免疫療法という治療があります。これは花粉症に対しては根本的な治療法と言えます。アレルギーの原因になっている物質を体に曝露(ばくろ)させることによって、原因物質に慣れさせてアレルギーの症状がでにくくするという治療法です。しかし、わざと曝露させるのでそれによって強いアレルギー反応が出てしまうこともありますし、3年くらいの長期にわたって通院しながら治療をやり続ける必要があります。しかし、アレルギーを起こしにくくするという意味で根本的な治療法と言えます。

<参考文献>

鼻アレルギー診療ガイドライン2023年版(日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会)

抗ヒスタミン薬の薬理学(日耳鼻 112: 99―103,2009)

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