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痛風の症状とその原因・対処法を現役医師が解説します

痛風とは


血液中の尿酸が多い状態が続いた結果、足首の関節などに尿酸の結晶ができて強い炎症を引き起こして赤く腫れ上がる病気のことをいいます。痛風発作とも呼ばれ、強い痛みのため靴を履くのもつらいほどです。文字通り、「風が吹くだけでも痛い」ということからこの名前がつきました。


痛風の症状

痛風の典型的な症状は激しい痛みです。下肢、特に足の親指のつけねに起きやすいです。他にも足首などにも起こります。

赤く腫れて熱を持っていることが多いです。


痛風の症状①足の激しい痛み


中年男性に多く、1カ所の関節に急に出現して24時間以内にピークに達する痛みです。10日くらいで自然に軽快しますが、我慢するのはなかなか大変なくらいの痛みです。


痛風の症状②結節や尿管結石


放置すると、次第に発作が増え、そのうち関節の変形を生じます。10年など長期間経過すると関節周囲や皮下組織に尿酸の結晶がたまって痛風結節といわれるかたいできものができることがあります。また、尿への尿酸の排泄によって尿酸結石・シュウ酸カルシウム結石などの尿路結石になるリスクが高まります。


痛風の原因

痛風の原因になるのは「尿酸ナトリウム結晶」という物質です。食べたものに含まれるプリン体と肝臓で作られるプリン体が体内で利用されたのちに最終的に尿酸となります。

この尿酸が体内にプールされて、そのうち2/3が腎臓から捨てられ、1/3が腸から捨てられます。尿酸のもとになるプリン体をたくさんとったり、尿酸の排泄(はいせつ)が少なくなったりすると、体内にプールされた尿酸が増えて、血液中の尿酸値が上昇します。尿酸値が上昇するとやがて尿酸ナトリウム結晶が関節や皮下組織にできます。これが痛風発作をおこします。


痛風の原因となる尿酸値とは?

尿酸値とは、血液中の尿酸の濃度のことをいいます。
基準値は7.0mg/dL以下で、それより高いと高尿酸血症といいます。

高尿酸血症が続くと、痛風発作が起こるリスクがあります。生活習慣の見直しが必要になります。これが8.0mg/dLや9.0mg/dLをこえると生活習慣の見直しとともに尿酸値を下げる薬を考える必要があります。


痛風にはどんな人がなりやすい?

尿酸の輸送に関わる遺伝子の異常があると、腎臓からの尿酸の排泄が低下して尿酸値が高くなります。

また、腸からの排泄が低下して尿酸値が高くなる遺伝子異常で尿酸値が高くなることもあります。他には、プリン体の摂取・肉類の摂取・飲酒・激しい運動・ストレス・肥満などが尿酸値の上昇につながるといわれています。

痛風の対処法・治し方

高尿酸血症から痛風発作がおこったと思われる場合(健診などで尿酸が高いと言われていたが何もしないでそのままになっていて、ある日突然、足の親指の付け根や足首の関節が赤く腫れて痛みが出てきたような場合)の治療はまずはクリニックや病院を受診しましょう。

薬局などで痛み止めを買って飲むのがいけないわけではありませんが、まずは医療機関で診断を受けることが重要です。

クリニックや病院で痛風発作と診断できれば、まずは痛み止めを処方します。1種類もしくは2種類くらいの痛み止めを飲みます。

痛み止めで胃があれることがあるので胃薬も一緒に出すことがあります。痛みがおさまってきたら、尿酸値の測定とともに尿酸値を下げる薬を飲み始めます。


生活習慣の改善


他の糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満などのメタボリック症候群と高尿酸血症は密接に関連しています。メタボリック症候群の人ほど尿酸値は高く、尿酸値が高い人ほどメタボリック症候群の頻度が高いとされています。

そのため、高尿酸血症や痛風に対する生活習慣の改善はメタボリック症候群と同じく、食事と運動の習慣を見直します。

  1. 肉類を減らす 
  2. 野菜を増やす 
  3. ビールをやめる
  4. コーヒー・ビタミンC・乳製品を増やす
  5. 水分摂取を増やす
  6. 適度に運動する(激しい運動はよくない)

などが尿酸値を下げる効果があると言われています。


痛風に用いる薬

痛風発作がおこっている時は痛み止めを使います。ナイキサン・ニフラン・インテバンなどの痛み止めがあります。他にもコルヒチン・ステロイド薬を使うことがあります。また、これらの薬は胃をあらすことがあるので胃薬も一緒に飲むことが多いです。

発作が落ち着いたら尿酸値を下げる薬を使います。尿酸値の目標は6.0mg/dL未満です。尿酸をつくるのをじゃまする薬(フェブリク、ウリアデックなど)、尿酸をどんどんすてる薬(ユリノーム、ユリスなど)などがあります。


痛風は再発する?

痛風は高尿酸血症が続くと再発します。

まずは、生活習慣の改善が最も大切です。そして尿酸値を下げる薬を使って、6.0mg/dL未満できれば5.0mg/dL未満などの低い尿酸値を目指しましょう。


痛風にならないための予防法とは


痛風の予防は生活習慣の見直しです。プリン体を多く含む食品を避けるととも一般的なメタボリック症候群の食事療法と同じく、肉類を減らして適度に魚類と野菜を摂取して、減量することが大切です。


痛風は何科を受診する?


痛風発作は内科を受診しましょう。ただし、尿酸値が高いと指摘されたことがなくて、いきなり痛風発作がおこった場合は、足の痛みが痛風発作かどうかわからなくて整形外科などを受診することもあるでしょう。その場合は、そこから内科に紹介になることがあります。


二ノ切やまもとクリニックでは痛風の治療をおこなっています

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当院のコラムは全て医師が監修しています
プロフィール

二ノ切やまもとクリニック 院長

山本 将士

・神戸大学医学部医学科 卒業
・神戸大学大学院 卒業
・大阪府済生会中津病院 外科
・神戸大学医学部附属病院 食道胃腸外科
・大阪府済生会中津病院 外科
・ニノ切やまもとクリニック 開院

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